タカノフーズ

おいしさのために あえて難しい 製法に挑む 豆腐研究開発 高野俊昭 豆腐工場 製造 森和彦

風味を保つためのこだわり製法温豆乳製法と海水にがり

タンクに注がれている豆乳。まだ熱いうちににがりが投入される。

おかめ豆腐の特色は、大豆の風味と甘みが活きていること。これは、すべてのおかめ豆腐が温豆乳製法で作られているから。
温豆乳製法とは、「豆乳がまだ温かいうちに凝固剤であるにがりを入れる製法です。豆乳を一度冷やしてからにがりを入れる冷却豆乳製法では、豆腐のうま味や甘みが豆腐に残りにくくなりますが、温豆乳の場合は、熱いうちににがりを入れて固めるので、風味がそのまま閉じ込められて甘みやコクがでるんです。」
どうしてこの製法を選んだのか聞いてみた。
「いろいろな豆腐をたくさん食べてきたけれど、温豆乳で海水にがりを使った豆腐がいちばんおいしかった」
この製法にこだわり、タカノフーズでライン化を果たした経緯を高野が熱く語る。
「ご厚意で、当時の開発担当が沖縄の豆腐工場を見学する機会をいただいたそうです。いろいろ見ていっていいよと言われて存分に観察してきたらしいのですが、そこで、にがり豆腐に適した豆乳のつくり方や、各工程での工夫などたくさんのヒントを得ることができた。その後、何度も何度も試作を繰り返し、試行錯誤の末、やっとの思いでおいしい豆腐が完成した。その豆腐は社内でも高く評価され、初めの一歩を踏み出したわけです。」

おいしいけれど難しい製法

常にシビアな調整が必要とされる。 温豆乳製法の難しいところは、豆乳が熱いうちににがりを入れること。なぜなら、温度が高いとにがりを入れたそばから固まってしまい、ムラができてしまうから。
「しかし、タカノフーズはこの温豆乳製法でもきれいにムラなく固める方法を開発しました。現在ではおかめ豆腐は100% この温豆乳製法です。」
それでも、製造工程では常にデリケートな調整が必要となる。
「大豆の種類、温度変化、煮上がり具合などの状態に応じて、にがりの投入量や撹拌具合などを微調整しています。こうした調整をしないと、同じ品質の豆腐をつくることができないんです。」(森)

豆腐づくりに適した豆乳の味は経験して覚え込む


製造ラインは常に清潔に保たれている。

こうしたデリケートな調整のためには、毎日豆乳を飲み、全神経を集中させてその味を確かめる。豆腐製造の途中段階で作る豆乳は、いろいろな味わいが絡み合っているため、その絶妙なバランスを見分けて良し悪しを判断しなければならないからだ。それは一体どんな味なのか? 「言葉では表現し切れないですし、分析しても明確な差は出ないんです。この味が分かるまでには時間がかかりますが、おいしい豆腐をつくっている時の豆乳の味をしっかり自分の舌で覚えることが、おいしい豆腐づくりには必要不可欠となります。」(森) おいしい豆腐のための豆乳づくりへの挑戦は、日々、続いている。

豆腐は大豆が命

「豆腐のおいしさは、大部分が大豆で決まってしまいます。」(高野)
豆腐は、大豆と水とにがりから出来ている。単純だからこそ奥が深い。おいしい豆腐とは、大豆の持つ風味と甘みを最大限に引き出すことにより生まれる。だからタカノフーズは大豆にとことんこだわり、更なるおいしい大豆を捜すために、毎年入手可能な全ての大豆から豆腐の試作を行っている。大豆とにがりとの相性が豆腐の品質を大きく左右するため、大豆の良し悪しの判定は実際に豆腐を試作し、経験を積んだ官能検査員による厳しい試食チェックが行われている。
「毎年、非常に多くの品種の試験をしていますが、合格する大豆品種は5〜6%程度と超難関の国家試験レベル。1品種も合格しない年もあり、それは気の遠くなる作業です。でも、もっとおいしい大豆に巡り合えるんじゃないかとワクワク感でいっぱいです。」(高野)
おいしい豆腐を追い求め大豆を探す旅は今日も続いている。

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