タカノフーズのあゆみ

2013 2015 新規事業立ち上げと新製品投入で販路拡大に挑む

日本経済はデフレと低成長が続き、消費税率が8%に引き上げられた平成26(2014)年には実質ゼロ成長となりました。一方で原油や穀物相場が高騰し、当社もその影響を受け、大豆価格の上昇や包装資材の調達コスト高などもあって厳しい経営環境となりました。平成27年7月には、やむなく国産大豆を使用した納豆の一部商品の値上げを実施しました。

こうした中でも当社は、既存事業を大事にしつつも収益源をそれのみに頼らず、新たな商機を開拓するため積極的な事業展開に乗り出しました。平成25年3月には、納豆や豆腐、また大豆や納豆菌の新たな可能性を探るため、経営企画部門内に新規事業部を新設しました。

翌平成26年3月、国内外の販路拡大に向けてマーケティングの部署名を、海外事業・業販に改称。同年5月には惣菜事業を開始し、豆腐を主原料にした惣菜「ころころ豆腐ぼーる」「やわらか豆腐からあげ」を発売。続いて6月には揚げ物のテスト販売も始めました。さらに9月には業務・スーパー向け和惣菜の専業メーカー、モリヨシ㈱を当社グループに迎え、少子高齢化やライフスタイルの変化に対応した商品づくりで惣菜を第三の事業の柱とすることを目指しました。

  • 新たな豆腐惣菜「ころころ豆腐ぼーる
  • 「やわらか豆腐からあげ」

納豆事業では消費のすそ野拡大を目的に、NHKのEテレで放映中の児童向け人気アニメ「はなかっぱ」とのコラボ企画を平成25年2月から実施。キャラクターがパッケージに登場する「ふわりんやわらか納豆」シリーズを市場に投入しました。一方、ヘビーユーザー向けには平成27年9月に「ねばうま納豆」を発売。発酵力が強い納豆菌と当社の技術を組み合わせて、箸にくっつき落ちないほどの強い粘りと、発酵が醸し出す濃い旨みを実現しました。これらの施策が功を奏し、平成28年3月期に納豆の売上が十数年ぶりに二桁成長を遂げました。

  • 「はなかっぱ」が登場した「ふわりんやわらか納豆」
    ©2010 AT/HKP
  • 「ねばうま納豆」

豆腐事業は、充填豆腐「絹美人」「もめん美人」の拡販に取り組みました。平成25年4月に発売した「濃い絹美人」は「絹美人」ラインアップの強化策として、大豆の旨みを濃く感じる商品としました。翌平成26年3月には、北海道産大豆100%使用の「北海道絹美人」を発売しました。
同年9月には南東北エリアから静岡エリアまで豆腐事業の販売地域を拡大するとともに、三段パッケージの新商品「もめん美人」を発売。小分け化は充填豆腐で先行し成功を収めていたことから、木綿豆腐にもチャンスがあると判断し、工場に高性能の新規ラインを導入して生産しました。その結果豆腐事業も好調となり、平成28年3月期に二年連続の二桁成長を記録しました。

  • 「北海道絹美人」
  • 「濃い絹美人」
  • 「もめん美人」

納豆料理の幅を大きく広げる取り組みにも引き続き注力し、平成26年1月に納豆レシピ本第二弾『おかめちゃんの毎日食べたい!納豆レシピ からだがよろこぶ86品』(発行:㈱ワニブックス)を出版しました。同年3月には、近畿エリアの納豆拡販の一環として、吉本興業㈱とのコラボでホームページ内に特設ページを開設し、様々なコンテンツを「なっとう食べたろ会」として展開しました。

また顧客満足度アップのため品質向上と生産体制の改善にも継続して取り組み、平成26年10月には筑波工場、鬼怒川第一工場でもISO9001認証を取得しました。

  • 納豆レシピ本第2弾『おかめちゃんの毎日食べたい!納豆レシピ』
  • 近畿エリアで展開した「なっとう食べたろ会」