令和元（2019）年10月に消費税率が10％に引き上げられ、消費者の購買意欲を押し下げました。それに加えて令和2年には新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行という非常事態が、企業活動を低下させるとともに、外出自粛や在宅勤務の広がりなど社会生活のあり方まで変化させました。当社においても、在宅勤務中心の新しい働き方に合わせ、160台の端末を整備しました。

納豆事業では、いわゆる巣ごもり消費で内食需要が急増したこともあり、当社の販売実績は好調に推移。しかしながら令和2年3月には供給能力を超えた受注が続いたため、一時出荷制限を余儀なくされました。

豆腐事業においても出荷数量が伸び続けており、さらなる販売エリア拡大を図るため平成31（2019）年3月に販売網を名古屋エリアおよび北海道エリアへと拡大しました。同月には市場のダウンサイズ傾向に合わせて「もめん美人」をリニューアルし、小分けカット豆腐「おかめ豆腐きぬミニ3」「おかめ豆腐もめんミニ3」を発売しました。

令和元（2019）年10月には、操業開始3年目を迎えた鬼怒川第二工場内に、冷凍豆腐の新たな生産拠点となる製造ラインを新設。主力商品の「絹美人」「もめんミニ３」「カリッと焼ける絹厚揚げ」に加えて「マメックスの便利とうふ」の製造を開始し、子会社のマメックス岐阜工場とともに増加する冷凍豆腐の需要に応えました。さらに翌年10月には同工場が、品質向上による顧客満足度アップのためISO9001認証を取得しました。

さらに企業ブランドのイメージ向上とともに、食の安全・安心を求める取引先および消費者から信頼を得ることができるよう、生産現場のリスクマネジメント体制の構築を目的にFSSC22000の認証取得に着手しました。FSSC22000はHACCPのみならずISO9001をも一部内包する食品安全マネジメントの国際規格です。当社グループでは平成30年10月の伊勢工場を皮切りに、同年11月水戸第一工場および第二工場、令和元年8月東北工場、同年10月ヒナタフーズ㈱、11月岡山工場、令和2年3月㈱井川食品で認証を取得しました。

令和元年8月には、地元のサッカーJリーグチーム水戸ホーリーホックとオフィシャルスポンサー契約を結びました。そして令和元年シーズンから「すごい納豆 S-903」などを同チームの選手に提供し、納豆の持つ健康作用でアスリートを食の面からバックアップしました。健康づくりを経営理念とする企業ならではの地域貢献活動としてスタートさせたのです。

なお平成31年3月に、営業活動効率化のため宇都宮営業所を高崎営業所に統合し、北関東営業所に名称を変更。令和2年4月には、子会社のモリヨシ㈱の株式を譲渡し、不採算事業となっていた惣菜事業から撤退しました。